介護士のやりがいを感じる場面
2017.05.23

男女の老人介護士の仕事には、プロジェクトの達成や商品の完成といった明確なゴールがありません。要介護者一人の生活をサポートするために、果たすべき任務はスケジュールの上にも数多く並びますが、基本は同じ行動の繰り返しです。毎日続く家事にも似た業務を指して、やりがいのない職と表現する人もいます。一方で現役の介護士の多くが、自らの仕事について、働き甲斐のある仕事と印象を語っているという現実を指摘し、介護職はやりがいのある仕事と示す介護職求人は後を絶ちません。
やりがいがあるのなら、多少きつい仕事でも頑張れるという性質の日本人にとって、その有無は志望の意志さえも左右する重要なポイントとなるものです。同じ介護の仕事を対象にしての評価に生じる、相対する認識の差は、やりがいが持つ定義の曖昧さによるものと言われます。
明確なゴールに喜びを覚える人のやりがいは、達成感に通じます。目指す終着点に手が届いた時の、達成の開放感によって、それまでの苦労はやってよかったという評価に変換されるのです。達成感を仕事に求めるタイプの人にとっては、介護士の仕事は苦労ばかりの終わりのないループであり、そこにやりがいを見出すことは叶いません。
やりがいを感じられる仕事と、自らの職を誇る介護士は、達成の瞬間ではなく報われたという気持ちの上にやりがいを見出します。サービスの利用者にありがとうと感謝の気持ちを告げられた時や、経験を積んで資格試験に合格した時、苦労して考えた特製の料理を完食してもらえた時などと、現役介護士が語るやりがいの場面に常にあるのは人の感情です。
介護士がやりがいと話す場面は、日常のふとした瞬間に訪れます。人と向き合う日々の業務の中に眠る、感謝や感動の種は、達成感のように確かな像を結びません。心を込めて世話をし、感情を育てることで、不意に見られるその心の芽吹きこそが、介護士の原動力なのです。
介護士という職業は、そもそも人との接触ありきです。被介護者にその家族に同僚と、介護士の周囲には常に人の姿があります。仕事上での人との関わりは、できる限り避けていきたいというのであれば、あらゆる職業を蹴ってまで、介護職の求人に応募するべきではありません。接客業とサービス業を合わせたような仕事の内容は、介護の知識や能力に加えて、社交性やコミュニケーションの力も問います。
他人と話し、感情を読み取り、その助けになることを喜べる能力が、介護の仕事では高く買われます。介護士達が感じているやりがいを、魅力的なものと思えるのなら、介護士を目指す資格としては十分です。

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